ストーリーよりも熱い!? ミュージカル「甲子園だけが高校野球ではない」の舞台裏
こんにちは。岩崎書店管理人大塚です。
前回は、学校法人滋慶学園の 東京放送芸術&映画・俳優専門学校、東京アニメ・声優専門学校にお邪魔して専門学校の人材教育についてお聞きしました。
そして今回は放送芸術学園専門学校、大阪アニメーションスクール専門学校のミュージカル「甲子園だけが高校野球ではない」をレポートします。
こちらの演目は 弊社CEO岩崎夏海の著書『甲子園だけが高校野球ではない(廣済堂出版 )』が原作となっています。
高校球児やその家族、マネージャー、監督などの、実際におきた感動短編物語が、オムニバス形式で収録されている本で、ミュージカルではそれぞれのエピソードを1チームに抱えるという形で表現されています。
6年前から1年に1度、放送芸術学園専門学校、大阪アニメーションスクール専門学校の在校生が大阪で公演をしてきましたが、今回特別に米子東ロータリークラブの創立50周年記念事業の場で出張公演されました。(3月24日(土)、鳥取県米子コンベンションセンターにて公演)
そして今回で最終公演ということで、その舞台裏をレポートします。
滋慶学園グループの放送芸術学園専門学校と、大阪アニメーションスクール専門学校の在校生と卒業生が出演しています。
放送芸術学院専門学校公式HP
大阪アニメーションスクール専門学校公式HP
学校紹介|大阪アニメーションスクール専門学校 OAS(アニスク)
米子東ロータリークラブ公式HP
甲子園のような熱い舞台裏
舞台演出を行っている竹田様、米子東ロータリークラブの松浦様、滋慶学園の中川様、にお話を伺いました。
(左)米子東ロータリークラブの松浦様(中央)舞台演出の竹田様(右)滋慶学園の中川様
── 演出で心がけていたことはありますか?
竹田さま(以下 竹) 学生たちが全力プレイをしているところを、お客様に観ていただこうと思っています。素人の学生たちが、このミュージカルに全力で取り組んでいる姿は、高校球児たちが野球に取り組む姿と重ね合わせられるんですね。そういった意味でもお客様に感動していただけるはずだと思いました。
── 経験の浅い学生さんたちと舞台を作り上げていく中で苦労はありますか?
竹 プロの方たちとの仕事は、一本のミュージカルを15日程でつくります。しかし学生のみなさんとつくるときは、半年かけてじっくりつくります。お金や時間関係なく、無償の愛で舞台に取り組めるのは、学生の期間だけです。プロ野球よりも高校野球の方が感動するという人がいるように、アマチュアがプロを超える瞬間というものがこのミュージカルにもあると思います。
── 他に何か工夫されていることはありますか?
竹 イーチワンというスタイルをとっていて、全員に見せ場があります。台詞があるとないとで頑張り方が変わるんですよね。全員が一生懸命取り組んでくれる方を優先しています。
── チームとして各人がどう働くかという、まさに野球監督の目線ですね。
竹 そうなんです。ミュージカルをつくるときも野球をするように、それぞれ役割があります。ひとりひとりの技術をとったら当然プロには追いつかない。しかし皆の全力プレーをお客様はみたいんだと。全力で取り組んだら、お客様の心へ必ず響くと思っています。
── 役を演じているのは、どういったコースの学生さんたちですか?
中川さま(以下 中) 俳優コース、ダンスボーカル、お笑いDJ&アナウンスそれから音響照明などといったスタッフですね。今回の公演は卒業生も出演しています。
竹 人生で踊るのが初めてといった学生ばかりです。このミュージカルは、僕は自分でかっこよく、和製ロック・ミュージカルといっていますが、台詞の言葉だけでは伝えられない情熱を、ダンスで伝える、ダンスだけでは伝わらない思いは歌で伝えるということを行っています。
米子のこどもたちに熱意を感じてもらいたい
── 今回米子東ロータリークラブさんは、なぜこのミュージカルを米子に呼びましたか?
松浦さま(以下 松) 2016年の秋に偶然大阪でこの公演を観ました。内容もさることながら、学生さんが素直に一生懸命取り組んでいる姿に感銘して、自分の子どもや地域の子どもたちにも見せたいという気持ちが湧いてきました。
そのようなときに、米子東ロータリークラブの創立50周年記念事業の担当になり、地域に何か還元したいと考えたときに、こちらのミュージカルを思い出しました。地域活性のために未来につなぐことをしたいという思いがあり、これからの世代の人たちに、このミュージカルを通じて、若い人たちの熱意を感じてもらいたかったんです。
── 米子東ロータリークラブは普段どういった活動をされていますか?
松 地元の貢献活動を行っています。ボランティアで掃除や、地元の高校生のインターアクトクラブの支援などを行っています
── 今回の創立50周年記念事業の目的は?
松 子どもたちに、自分に自信を持つことや、目標に向かってまっすぐ進んでいく大切さ、これからの将来を逞しく生きていく力を育んでもらえればと思います。今までの50周年積み重ねてきたみなさんに対する恩返しで無料のイベントとなっています。
舞台裏 もう一つの物語
竹 実はこのミュージカルはオーディション制なので、学生なら誰でも出演できるわけではないんですね。黒瀬くんという学生は、オーディションに落ちてしまいましたが、どうしても出演したくて稽古場に見学にきました。その熱意をかって、今日のラストシーンに急遽参加することになりました。
黒瀬さんにもお話を伺いました!
── いつからこちらのミュージカルに出演したいと思っていましたか?
黒瀬さま(以下 黒) 入学式のときのオリエンテーションを観てからです。出演したいと思いオーディションを受けましたが落ちてしまいました。
── そういった中で稽古場に見学に行くことは凄い勇気だと思いました。なぜ見学にいきましたか?
黒 来年絶対に出たいと思い、稽古の雰囲気を勉強したいと、飛び込みでレッスン場にいきました。
竹 すごい情熱を感じましたね。またタイミングがよくてその日の稽古で偶然欠席者が出たんですよ。だから代役をやってもらって。
黒 はい。びっくりしましたね。でもこのチャンスを活かせば来年の出演に近づけるのではないかと思いました。
竹 それで後日、今年度でこの演目が最後ということを聞いたんですよね。
黒 はい。とてもショックでした。
── なぜそこまで、このミュージカルの出演を希望していますか?
黒 もともと舞台に出ることが夢で、オーディションに落ちたときもショックでしたが、少し納得していた部分もありました。しかしゲネプロを見させてもらったときに、なんで自分は舞台に立てなかったんだろうと、とても悔しい思いをして、次回は絶対に出たいという気持ちで過ごしていました。
── では、今回出演をしないかと言われたときは、どういう気持ちでした?
黒 本番の約10日前に聞いて、最初はとても驚き、同時にすごく嬉しかったです。しかしオーディションに受かっていない自分が、最後の舞台に出させてもらっていいのだろうかというのはずっと感じてました。出演が決まって、メンバーのみなさんも暖かく迎えてくれて本当に感謝しています。
── では10日間でダンスと歌を覚えたんですね。すごいです。本番前のお気持ちは?
黒 最後の舞台なのでみんなの邪魔にはなりたくないですし、本来はオーディションを勝ち抜いて役をもらいたいと思っていて、それは叶わなかったんですが、せっかく竹田先生から出演させてもらうチャンスを与えられたので、この機会は絶対に無駄にはしないと思っています。
いざ!ミュージカル鑑賞へ
感動的なストーリーもさることながら、演出の竹田先生が仰っていた、学生ならではのこの舞台にかける熱い想いというものが伝わってきて、目頭があつくなりました。
歌とダンスもプロにも顔負けの気迫を感じ、すっかり元気をもらいました。
「甲子園だけが高校野球ではない」は今回が最終公演となりましたが、滋慶学園さんのミュージカル公演は続きます。
是非足を運んでみてください。
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『甲子園だけが高校野球ではない』最新刊も公表発売中です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
投稿者:大塚芙美恵