アイドルコピーダンスサークルがアツい! コピーダンスに青春をかける若者たち
女子大生によるアイドルコピーダンスサークルが、いまアツいのをご存知でしょうか? なんと全国大会が開かれ、テレビやネットで特集されるほどの人気になっているそう。
2月16日に開催された、女子大生アイドルコピーダンスサークル日本一を決定する大会「UNIDOL」を取材してきましたっ!!!
(UNIDOL公式Twitterより)
目次
1.「UNIDOL(ユニドル)」とは!?
・「UNIDOL(ユニドル)」とは!?
「UNIDOL」とは、女子大生アイドルコピーダンスサークルの日本一を決めるコンテストのこと。「UNIversity iDOL」(女子大生アイドル)を由来とする名称のとおり、「普通の女子大生が、一夜限りの”アイドル”としてステージに立つ」というコンセプトのもと、女子大生たちが本気でアイドルコピーダンス日本一を競うイベントとなっています。
プロのアイドルはもとより、ご当地アイドル、地下アイドル、声優アイドル…など、近年多様なアイドルが活躍していますが、AKB48の人気が爆発的なものとなり、アイドルブーム、ダンスブームが社会現象となった2011年頃、アイドルグループのダンスを完コピするサークルが、大学で次々に発足。そんなダンスサークルの発表の場を求める学生らによって結成されたのが、「UNIDOL」です。
・2012年、8チームからスタート。年々拡大し、今大会は72チームがエントリー!
UNIDOLがスタートしたのは、2012年。
第1回大会を【関東】で開催して以降、【関西】、【九州】、【東海】と次々と拠点を広げ、第9回となる今大会では【北海道】も加わり、ついに全国5大都市開催を実現しました。
それにともない、参加チーム数も、8チームから58大学・72チームにまで急増。さらには、観客動員数が昨年度は1万5千人超を記録しました。
アイドルコピーダンスサークルが各地で立ち上がって、UNIDOLが「全国規模」「日本一の学生イベント」へと成長したことがうかがえますね。
・実行委員会のメンバーは全員学生
UNIDOLのイベントを運営するのは、「UNIDOL実行委員会」です。驚くことに、メンバーは全て学生です。イベントの企画・進行から、営業や広報、イベントに必要な動画や画像の制作まで、イベントに関わる全てのことを学生が中心となって行っています。
さらに、実行委員のメンバーは、大学も学年もさまざまです。広報局のスタッフによると、早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学…といった複数の大学から集まったメンバーが、週1回、都内のオフィスで会合を開き、進行・運営・広報・営業・マネジメント・事務局・エリアなどのチームに分かれて仕事を進めているのだそう。
協賛・後援のスポンサーさんもバッチリついているこの大会、やり手のイベント会社さながらの運営力ですね。
(UNIDOL大会パンフより)
2.UNIDOL2016-17 Winter 決勝戦に行ってみた!!!
・アイドルコピーダンスサークル日本一は誰の手に!?
2月16日、東京・新木場で開催されたUNIDOLの本選(敗者復活戦/決勝戦)。会場のStudio Coastは、来日アーティストやロック、ヒップホップなどのライブが行われる、大きなイベントスペース。音響も照明もステージも、プロ仕様の設備です!!!
チケット販売、入場の誘導など、各所にUNIDOL実行委員会の学生さんがスタンバイ。開場を待つ列に並んでいるのは、いかにもアイドルヲ●風の方(すみません)を中心に、出演者と同年代の20歳前後くらいの女性グループ、そして出演者の親御さんでしょうか、中高年の方も1割位いらっしゃいました。
会場のロビーには、チームに贈られた花や、物販コーナーも。本物のアイドルのコンサートのようです。
第9回目の大会となる、「UNIDOL2016-17 Winter」は、58大学・72チームが参加。これは、史上最多数とのことです!決勝は、関東、関西、東海、九州、北海道の地区予選を突破した13チームと、敗者復活戦で勝ち残った2チームとスペシャル枠1チームの、合計16チームで決勝戦を競います!!!
(UNIDOL大会パンフより)
★パフォーマンスの規定★
持ち時間8分、曲数は自由、日本のアイドル曲を使用すること。
例)早稲田大学のももキュン☆さんのステージ構成
①ブレインストーミング/モーニング娘。
②シンデレラじゃいられない/ベイビーレイズJAPAN
③純情U-19/NMB48
④Together/Cheeky Parade
規定に則って、各チームで曲や構成を考えてエントリーするのですが、運営側との事前調整で、大会では同じ曲がかぶらないようにしているとのこと。チーム数が多いと、その調整が大変そうですね……。
ももキュン☆さんの例でいうと、モー娘⇒ベイビーレイズJAPAN⇒NMB⇒Cheeky Paradeと、4つのアイドルの曲が次々に流れ、ダンスのテイストもそれに応じてガラリと変わるので、1チームの中でも変化に富んだパフォーマンスを観ることができます!
また、チームの人数は自由で、2~3人の少人数チームもあれば、10人超のチームも。
観客の応援パフォーマンスもまた、見所のひとつです。揃いのコールをかけたり、サイリウムを一瞬にして推しメンの色に変えたりする一団がそこここにいて、本物のアイドルのコンサートと見まごうほどの盛り上がり。初めて目にするヲ●芸に圧倒されつつ、こちらもテンションアゲアゲになったのでした!!!
それにしても、驚いたのは、ダンスの完成度の高さと楽曲の豊富さ。13:30のイベント開始から22:30の閉幕まで、ただの一度も飽きることなく、各チームのダンスを堪能させていただきました。
私の個人的な感想になってしまいますが、人数が多いチームだと、振りがそろったとき見栄えがするのと、横1列、前後入れ替わりなどのフォーメーションの変化が楽しく、見応えがあるなと思いました!!!
ちなみに、決勝戦の結果はコチラ!!!圧巻のステージでした!!!
優勝 Tomboys☆/東洋大学
準優勝 成城彼女/成城大学
第3位 さよならモラトリアム/慶応義塾大学
(UNIDOL公式Twitterより)
3.決勝戦出場の「ももキュン☆」さんにインタビュー
アイドルコピーダンスサークルのリアルが知りたいということで、決勝戦出場の「ももキュン☆」さんにインタビューをしました!ダンスも衣装も、本物のアイドルさながらの彼女たちですが、本業は大学生。このサークルに入ったきっかけや、練習と学業の両立はどうしているかなど、気になることを聞いてみました!!!
お話を伺ったのは、早稲田大学の「ももキュン☆」の皆さん
ももキュン☆は、2014年創設の早稲田大学のチームで、現メンバーは総勢9名。始まりは埼玉・所沢キャンパスのストリートダンスサークルから派生したコピーダンスのユニットだったそう。現在は他のキャンパス(新宿の本部・戸山・大久保)や他大学のメンバーも加わり、学部・大学の垣根を越えて活動しています。
Q 好きなアイドルは?
A SKE48、NMB48、乃木坂46、drop、GEM、モーニング娘。、ハロー!プロジェクト、アキシブproject、ベイビーレイズJAPANなど。
Q アイドルコピーダンスをしたいと思ったきっかけは?
A アイドルが好きだったので、自分でも躍ってみたかった。先輩に惹かれてダンス部に入り、そこでアイドルコピーに出会ったなど、きっかけは人それぞれです。
Q 高校時代の部活は?
A ダンス部、バスケ部、バトミントン部、吹奏楽部、茶道部、家庭科部…。体育会系、文科系さまざまで、ダンス未経験者も多いです。
Q 曲や振り付けは誰が決めるの?
A ももキュン☆では、1曲ごとに担当者が決まっています。振り付けやフォーメーション、曲のどの部分を使うかなどはその担当者が考えます。センターに立つ人や振り付け係は、固定ではないんですよ。
Q 練習はどうしてる?
A 練習の拠点は特になく、あちこちの貸スタジオで練習しています。深夜練習も多くて、7時間超のロング練をすることも。スケジュール調整が大変なので、集まれる人だけ集まる場合もあります。
Q 衣装はどうしてる?
A みんなでデザインを決めて、外部に委託して作ってもらっています。
Q 発表の場は?
A UNIDOLのほかは、早稲田祭に出場しています。外部団体主催の学園祭PRイベントに呼ばれたり、早稲田大学放送研究会からの依頼で出演したことも。
Q UNIDOLのことは、いつから知ってた?
A 高校時代には、アイドルコピーサークルのことも、UNIDOLもすでに知っていて、Twitterなどで情報をチェックしたりして、入学したら入ろうと決めていました。
Q どんなバイトしてる?
A 居酒屋やカフェのホール・キッチン、塾講師、家庭教師、コールセンターなど。
Q プロのアイドルを目指す人もいる?
A このチームにはいないかな。アイドルダンスが好きでやっているのであって、プロを目指すとかは考えていません。大学を卒業したらUNIDOLには出られないですし。
Q ファンの方との交流は
A Twitterで応援メッセージをもらったり、花をいただいたりすることもあります。ただし、返信は必ず敬語を使うなどして、一定の節度を保つよう心がけています。
Q これからアイドルコピーを始めたい方にメッセージを
A 最初は、人前で踊ることや、すでに出来上がったチームに入ることを戸惑うかもしれませんが、いつでもウェルカムです。ダンスの経験がなくても大丈夫。愛と練習があれば、案外できちゃうものです。見学や体験練習もしているので、ぜひチャレンジしてみて。
はつらつの笑顔に礼儀正しい受け答え、そして抜群のコミュ力。可愛らしさの中にしっかりした芯が感じられる、素敵なお嬢さんがそろったももキュン☆の皆さんでした。決勝戦直前の貴重な時間、インタビューに応じてくださり、本当にありがとうございました!!!
4.本気のパフォーマンスが生み出す感動が本当の魅力
会いにいけて、SNSで直接つながれるアイドル……。でも、ステージを下りれば普通の女子大生。この距離の近さが、人気の理由であることはたしかです。
が、ゆとり世代と言われている彼女たちが見せる、ダンスにかける情熱や本気の努力こそが、観る人に熱い感動を与えているのは間違いないでしょう!!!
今回のイベントを拝見して印象的だったのは、ダンスの完成度が高いこと、そしてメッセージ性があること。最初は、ダンスの上手さに目を奪われていましたが、次第に歌詞や、曲に込められたメッセージが、ダンスパフォーマンスの一つひとつの仕草からびしびしと伝わってきて、じーんときたり、キュンとしたり、熱くなったり、次々と心に響きました!!!
日本のアイドル曲がこんなにいいものだったなんて!!!
キレッキレのダンス、複雑なフォーメーション、ぴたりと揃った振り付け、どの動きからも、地道な練習の跡が伺い知れます。「アイドル」という響きから、可愛い衣装でひらひら踊ってるんでしょ、なんていう想像をしている人がいたら、大間違いですよ~と言いたいですね!!!
女子大生アイドルと呼ばれても、浮ついたところは、彼女たちには見られません。むしろアイドルコピーダンスを「競技」としてとらえ、ストイックにそれを極めようとする、競技者の姿を見たように思います。
会場の尋常ならざる盛り上がりを見て、つくづく感じたのは、日本のアイドル文化は、間違いなく日本を元気にしているし、そのアイドルコピーダンスをしている彼女たちは、日本のアイドル文化を盛り上げる重要な一翼を担っているということ。VIVA UNIDOL!!!
5.そして世界へ!!!
・日本文化としての「アイドル」を世界へ発信!
女子高生、男子大学生の大会も始動しています!
アイドルグループを知らなくても、初めて聞く曲でも、観てわかる、聞いて心地よい。ダンスとPOPミュージックが融合した「アイドル曲」は、予備知識がなくても楽しめる最強のコンテンツ。年齢、言葉、国境を軽々と乗り越える力を持っています。
主催者の日本学生アイドルプロジェクトは、日本文化としての「アイドル」を世界へ発信するために、2016年度以降、台湾、上海、ジャカルタ、パリの4都市でのUNIDOL海外大会開催を予定しているとのこと。
また、UNIDOLの派生企画として、高校生の大会「Highdol(ハイドル)」、男子大学生の大会「UNIBOY(ユニボーイ)」もすでに始動しています。
今後、さらに大きなイベントになっていきそうなUNIDOLから、目が離せませんね。
(UNIDOL公式Twitterより)
投稿者: promon