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素潜りの水中光線色!? ユニークな500色の色えんぴつをイラストレーターが使ってみた 後編

「500色の色えんぴつ TOKYO SEDDS」のユニークな名前に惹かれフェリシモさんのオフィスに伺っている今回。

前編では「500色の色えんぴつ TOKYO SEDDS」の製作秘話を中心に伺ってきました。

前編はこちらから↓

http://www.iwasakishoten.site/entry/iroenpitsu/dangi1

 

後編ではイラストレーターくぼあやこさんの色えんぴつの使い方に迫ります。実際に絵を描く姿を見られるのはとても貴重! 「素潜りの水中光線色」をイメージした即興スケッチもあります! それでは最後までお付き合いください。

 

詳しい製品情報はこちらをご覧ください↓

www.500.gifts

 

クレヨンを溶かして描く、くぼさんの特別な絵の描き方

 くぼさんは普段どのような色えんぴつを使っていますか?

 力強くグリグリ描くのが好きなので芯が太く、油分の多いものを使っています。フェリシモさんの色えんぴつも旧モデルより第四世代のものが好きですね。

 どういうときに色えんぴつを使われていますか?

 普段クレヨンをアイロンで溶かして描いているので、その補助の形で細かいところに色えんぴつを使っています。

フェリシモ 500色の色えんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ
クレヨンを溶かして描いた絵をお見せ頂きました。クレヨンで塗った絵の上にトレーシングペーパーをかけて、その上からアイロンをかけるそうです。そうするとクレヨンが溶けてトレーシングペーパーが油を吸い、波をうったような変わった模様が出てきます。

 クレヨンを溶かす! 初めて聞きました。この方法は一般的な技法ですか?

 いえ、自分で考えました。以前テレビ番組で、子どものクレヨン画を保存する方法として行っていて、これを作品に取り入れたら面白いかなと思いました。

 ご自身で考えたとはすごいですね!

 あとは色えんぴつとえんぴつだけで描くときもありますね。

フェリシモ 500色の色えんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ

くぼさんの線画。とても素敵です。 

枠線を描くのはNG!? プロの色えんぴつの使い方

 500色の色えんぴつを使って、実際にくぼさんに色を塗っていただきたいと思います。

 わかりました! まずえんぴつで描いた下画きに本画き用の紙をのせて色をのせていきます。

フェリシモ 500色のいろえんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ
くぼさんがあらかじめえんぴつで下書きを描いてきてくれました!

 

フェリシモ 500色のいろえんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ
 下書きの上でトレースするんですね! 塗るときのコツはありますか?

 そうですね……。ぬり絵をするときに外枠の線をひいてから色を塗り始める方もいると思いますが、私はひかないようにしています。

フェリシモ 500色の色えんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ外枠はひかないようにしているとのこと

 というのも枠線の前でどうしても塗る力を弱めてしまうんですね。そうすると塗り跡がきれいに出ないので、外枠はひかずに下書きに合わせて勢いよく塗りつぶしていきます。色えんぴつの良いところは描いている軌跡がでるところなので、それを生かすには線の勢いを殺さない方がいいです。この絵の場合は塗る向きも揃えた方がいいですね。

フェリシモ 500色の色えんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ軌跡を意識して力強く描いています

 言われてみればいつもまず枠線をひいてました!

 すごく力強く描かれますね。

 線のテンションが大事なのでぎゅーっと描きますね。うん、太さと圧がちょうどよくて使いやすい。パステルの色もとてもかわいいです。えんぴつを使うと絵がしまるので、色えんぴつだけよりもどこかに黒をいれるといいのかもしれないですね。 

フェリシモ 500色のいろえんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ

フェリシモ 500色のいろえんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ

 

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すごい力強く塗っています!!
 

色を選ぶ楽しさ

 子どもたちが絵を描くときに色を選ぶコツはありますか?

 とにかく好きな色を選べばいいと思います。私は幼稚園のときに、ピンクと水色の組み合わせが大好きでした。そればかり使っていましたが、あるとき急に嫌いになったんです。

 欲求のコップの水があふれたみたいな(笑)。

 そうそう、使いすぎです。しばらく嫌いでしたが、ある時期からまたいいかもと受け入れていきました。

 無理にこの色を使いなさいとか、もっとカラフルにしなさいではなくていいんですね。

 それでいいと思います。

 たしかにグレーの花びらはあまりありませんが、こうやって塗ってみると、とても可愛いです。感覚的に塗るのがいいですね。 

フェリシモ 500色のいろえんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ

 社長が時々言う言葉があって、「12色の色えんぴつを使っていたのが、24色や48色の色えんぴつを買ってもらったときは世界がすごく広がった気分だった」と。

 うん、たしかにそうですね。

 好きな色を500色から選ぶのと、12色から選ぶのとでは全然違いますよね。

 

フェリシモ 500色のいろえんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ

 

「素潜りの水中光線色」をくぼさんがイメージするとこうなる!

 くぼさんに色名からイメージをして絵を描いていただきたいです!

 おぉ!やりますか! そうですね。選んでみましょう。

(色名の書かれた紙を真剣に見るくぼさん)

えーっと、どれにしようか迷いますね……。あ! 「素潜りの水中光線色」はなんだか可愛いです。これで描いてみます。

 実際の色は気にせず、好きな色で描いてくださいね。

フェリシモ 500色のいろえんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ実際の「素潜りの水中光線色」がどういう色かわからない状態で、色を選んでいくくぼさん。単色ではなく色の組み合わせを意識して選んでいきます。

f:id:iwasakishoten:20171127165241j:plain真っ直ぐな線を描き始めました。すぐにイメージが浮かんだご様子で、ものすごいスピードで描いていきます。

フェリシモ 500色のいろえんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ遊びに来たみたいと笑いながら描いてくれるくぼさん。

フェリシモ 500色のいろえんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ
頭に浮かぶイメージを形にしているのだそう。大塚がイメージできるのは、せいぜい水色の線……。さすがプロのイラストレーターさん。

フェリシモ 500色のいろえんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログオレンジをくわえようかな、と太陽を描いています。

完成

フェリシモ 500色のいろえんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ

色名のイメージだけでこんなに素敵な絵が描けてしまうなんて!

石井さんも、大塚もただただ感動でした。

 

正解の色は?

くぼさんが使用した色えんぴつはこの4本、果たして「素潜りの水中光線色」の本当の色は?

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……まさかのオレンジでした!!! 水色や緑色を想像していた私たちは一同大爆笑。

フェリシモ 500色のいろえんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ

 

 オレンジかー! みんなで色を予想し合ってクイズをしても楽しいですね。すごーい! 面白かった。
 その人の背景によっても色のイメージは違うので楽しいですよね。

 

もし第五世代がでるとしたら!?

 もし第五世代が出るとしたらくぼさんから500色の色えんぴつに対して要望はありますか?

 えー、そうですね。なんだろうな……。油分がもう少し多くても、面白いかもしれないですね。芯が柔らかくて、更に描き跡がみえるくらいに油分がはいっているといいと思います。

 それこそクレヨンに近いものですね。あとは色の組み合わせをくぼさんはじめプロの方が考えて提案するのはいかがでしょう?

 いいですね。実家が着物屋さんだったんですが、着物ってすごく色が豊富で洋服だと考えられないような色があるんですね。そういう風に沢山の色の組み合わせをテーマで決めて考えるのもいいかもしれないですね。

 いろいろ作りたくなってきます!

 

フェリシモ 500色のいろえんぴつ くぼあやこ 岩崎書店のブログ

最後に

「500色の色えんぴつ TOKYO SEEDS」のロマンチックな色名に惹かれて伺った今回。製作過程の話から色えんぴつの使い方など様々なお話をお聞きすることができました。

職人さんたちの技術的挑戦や製作秘話を聞くなかで、使う側だけでなく、作る側も「500色の色えんぴつ TOKYO SEEDS」に夢を持って向き合っていることがわかりました。

現在進行形で作られている色えんぴつ、実はまだ英語名しか決まっていないものもあるそうです。

「こんなハチャメチャな企画はうちしかできない」と仰る石井さんはとても楽しそうで、お客様に喜んでもらいたいという気持ちがすごく伝わってきました。

また今回特別に絵を描き下ろしてくださったくぼさん。絵を描く楽しさ、色が広がる楽しさを思い出させてくれました。素敵なイラストをありがとうございました。

2020年の東京オリンピック開幕の頃には500色全てが揃うとのこと。これからどんな色が出てくるか楽しみですね。

それでは最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

前編はこちらからご覧ください↓

www.iwasakishoten.site

 

より詳しい製品の情報はこちら↓

www.500.gifts

 

 

投稿者:大塚芙美恵