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「セカンドハネムーン」で育む「パタニティ」って? 〜埼玉・川越にパパの育児を支援する施設がオープン〜

もっと子育てに関わりたい。

でも、なかなかうまくできない。
おまけに出産後、妻との関係もぎくしゃく。
……そんなパパに子育てのノウハウを学んで、ママとのいい関係をキープするためのコ ツをサポートしてくれる「パタニティ・マタニティハウス」があります。

パタニティ・マタニティハウス 愛和病院宿泊施設のロッカーの扉に書かれたメッセージ

パタニティ・マタニティハウス|愛和病院

 

父親としての意識を高める2泊3日の「セカンドハネムーン」

パタニティ・マタニティハウス 愛和病院産婦人科、小児科をはじめ6診療科がそろっている愛和病院。
妊娠から出産、1歳の誕生日までを継続してサポートする体制が整っています。

 川越駅から車で少し走ると、田んぼの中に木々が茂る一画が見えてきます。緑の向こうにはリゾート風の建物が・・・。
これが今回、ご紹介する「パタニティ・マタニティハウス」です。今年の2月にオープンしました。

ゲートから中に足を踏み入れると、シンボルツリーのオリーブや色とりどりの花、ブランコやバードハウスが目に飛びこんできます。
抜ける風が気持ちよく、なんともいえない開放感があります。
 これは地元ではよく知られた産婦人科、愛和病院グループが運営する新米パパとママのための施設。産院から自宅に帰る前に新生活のシミュレーションができる宿泊施設と子どもが1歳になるまで家族で利用できるサロンがそろっています。

2泊3日の「セカンドハネムーン」

宿泊施設には「セカンドハネムーン」のために、赤ちゃんとママ、パパの3人で利用できる部屋が5つ、用意されています。

「出産後、家に戻って、忙しい毎日が始まる前に、ここに3人で過ごしてリフレッシュしながら、ゆっくりゆっくり父や母になっていただこうというプランです」と言うのは愛和病院の経営統括室本部長内田緒織さん。
すみずみまで配慮が行き届き、快適で安全な環境は、スタッフが24時間常駐という至れりつくせりのぜいたくさです。
2泊3日の滞在中、パパもママも自分の体力の回復のためにのんびり休んだり、助産師や看護師、保育士やソーシャルワーカーなどの資格をもつスタッフから子育てや家事など基本的なノウハウを学びます。もちろん、パパの仕事はお休みです(今までには、ここから職場へ通ったパパもいたそうです!)。
「今のパパは妊娠中の妻の定期検診にも付き添うし、出産にも立ち会うし、子育てに参加したいという意欲も満々です。でも、退院後、なにをしたらいいかわからないし、やりたくてもその技術がありません」と内田さん。
「子どもが0歳から2歳のころの親の離婚は少なくありません。ここではパパが新生活で地雷を踏まないように、お風呂の入れ方やミルクの作り方から料理や掃除などの家事までを手ほどきし、良好な関係を続けてもらえるようにサポートしています。そうするうちに父親の自覚が芽生え、主体的に子育てに関わるようになるはずです」と内田さんは言います。

愛和病院は開業44年目、現在全国2位の分娩件数という実績を誇ります。たくさんの夫婦と接してきたからこそ、退院後こそファミリーのケアが必要と実感し、この事業に乗り出したのです。

パタニティ・マタニティハウス 愛和病院プライベートガーデン

パタニティ・マタニティハウス 愛和病院「パタニティ・マタニティハウス」のエントランス

一方のサロンにはたくさんの遊具や絵本がある赤ちゃんを遊ばせるスペース、ママがひとりで昼寝のできる部屋、フリードリンクと焼きたてのパンの提供などがあり、スタッフの目が行き届く中、親子が安心して過ごすことができます。宿泊施設もこのサロンも「育児に休みはない」と365日利用可能というのは、なにかと心細い新米ファミリーにはうれしいシステムです。
「毎日、通ってくる人もたくさんいます。ここでは育児相談を受けたり、赤ちゃんと一緒の遊びを教えたり、とあらゆるニーズに応えるなど、ママのサポートもしっかりしています」
なにより、ここには赤ちゃんを抱えたパパやママがやってくるので、友だち作りにも最適です。近所の人たちはもちろん、遠方から通う人も少なくありません。

パタニティ・マタニティハウス 愛和病院

パタニティ・マタニティハウス 愛和病院5部屋ある宿泊施設。天井まで高さ6メートルある室内はゆったり。畳の部屋もあります。洗面台にはベビーバスも。24時間体制でスタッフが対応。

 

パタニティ・マタニティハウス 愛和病院サロンには絵本も用意されています

パタニティ・マタニティハウス 愛和病院思い思いの場所でくつろぐ親子たち

パタニティ・マタニティハウス 愛和病院NAPルーム

 

パタニティ・マタニティハウス 愛和病院パンタイムには焼きたてのパンが(左) サロンにはフリードリンクを用意(右)

パパのための絵本の読み聞かせ講座

この「パタニティ・マタニティハウス」で、初夏のある日の日曜日、『パパ、絵本よんで!』というパパを対象にした、絵本の読み聞かせのノウハウを指南するプログラムが行われました。参加したのは30家族ほどのパパとママと赤ちゃん。みな、「セカンドハネムーン」を経験した家族です。
    

講師の原田璀子先生は、長年、親子のコミュニケーションについて研究され、絵本の造詣にも深いベテランの保育士さんです。

「はい! おとうさん、赤ちゃんをひざにのせてください!」
始まりました!
「手遊びをしますよ!とんとんトントン♪」
赤ちゃんをひざにのせたパパから笑顔がこぼれます。
「赤ちゃんをちょっと上へ放ってください!」
赤ちゃんの喜ぶ声、パパから歓声があがります。

原田先生は子どもの発達段階について説明し、その時期に適当な遊び方や絵本の選び方などをガイド。父親が絵本を読み聞かせる効果についての説明も忘れません。
「絵本を読むのが下手だから、と恥ずかしがってはいけません。相手は赤ちゃんですよ(笑)。
パパが絵本を読むと、赤ちゃんの頭がよくなるという調査結果があるんですから、読まなければもったいないでしょ(笑)」
昨年、ハーバード大学のElisabeth Duursma博士の調査で、パパが絵本の読み聞かせをしたほうが子どもの知能が高まる、という結果が出ました。
「パパはママとは違う表現の仕方で絵本を読むし、ママとは違う観点からの質問をするので、子どもはいろいろなことを考えさせられます。『パパ読んで!』と子どもに言われたら、喜んで読んであげてください。絵本は親子のいい触れ合いの時間を作り、子どもの感性を豊かにしますよ」
 乳幼児期は親との触れ合いで、赤ちゃんが大きく成長する大事な時期。
「この時期に絵本で育てられた子どもは情緒が安定します。スマホに子守をさせないでください」
スマホへの警鐘もしっかりとされていました。

参加したパパたちの声を聞いてみました。
「ほかのおとうさんがたくさん来ているのを見て、自分だけが子育てをしているんじゃない、と安心しました」
「ほかのおとうさんに不思議な連帯感を覚えます」
「こういうイベントをキッカケに父親としてできることの領域を広げていきたいです」
「絵本の読み聞かせをしたことがないのですが、これを機にやってみたいと思います」

パタニティ・マタニティハウス 愛和病院パパたちも熱心に

パタニティ・マタニティハウス 愛和病院「ほら、タッチして!」と原田先生

「二人目がほしい」と思ってもらえたら

「ここではママ友はもちろん、パパ友も作ってほしいと思っています。ほかのパパの様子を知ることでパパの子育ての意識が芽生え、二人で子育てをする自覚がパパにできると、“2 人目”につながります」と内田さん。
「子沢山」という言葉が死語になっている今の日本。2016年の出生数は戦後初めて100万人を割り、2020年のオリンピック後、東京でも人口減少が始まると言われています。
そんな中、この愛和病院の新米パパママに向けた、出産から子育てまでの手厚いプログラムは「子沢山」への希望ももてそうです。
ちなみに愛和病院で最多出産はおひとりで9人だそう。
あとに続いてください!
 

パタニティ・マタニティハウス 愛和病院ご近所から参加した鶴巻向日葵ちゃん(9カ月・左)と清水琉伊くん(10カ月・右)
*2017年5月撮影時

パタニティ・マタニティハウス
 埼玉県川越市古谷上1156−1
 ℡049—269—8811

 

投稿者:mieta