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23.2.17発売! 『ごみしゅうしゅうしゃのぽいすけくん』正高もとこ先生インタビュー

2月17日発売、『ごみしゅうしゅうしゃの ぽいすけくん』は、『きゅうきゅうしゃの ぴーとくん』『はしごしゃの のびるくん』に続く人気シリーズの3作目。海辺の町をまわってごみを集め、清掃工場へと運ぶ収集車が主人公のお話です。
今回は新刊発売を記念して、著者の正高もとこ先生に制作秘話や、正高もとこ先生ご自身のことを伺ってみました。

–––––––––––働く車といえば子どもたちが大好きなものですが、このお話を書こうと思ったきっかけを教えてください。

いたずらきかんしゃちゅうちゅう』(福音館書店)『マイク・マリガンとスチーム・ショベル』(童話館出版)などの絵本で有名なアメリカの絵本作家バージニア・リー・バートンに憧れていたことと、ふたりの男の子を育てた時、彼らが乗り物好きだったことから、いつか私も乗り物絵本を作ってみたいと思っていました。
長年、ごみ問題に興味があり、子どもたちにごみの分別や減量を勧める話として、『ぽいすけくん』を考えました。

 

 

–––––––––––第1作に『きゅうきゅうしゃのぴーとくん』を書いたきっかけは何ですか?

子どもたちが大好きなサイレンカーであるにもかかわらず、当時、救急車の物語の絵本が少なく、今の時代にあった話を作りたいと思っていました。たまたま読み聞かせボランティア活動で知り合ったおばあちゃんが「うちの孫は救急車が大好き!」と教えてくれたことをきっかけに作り始めました。
丁度、医療従事者になっていた長男が「忙しすぎて目がまわる。ぼくだって、お休みがほしい」と、仕事をやめて海外に行ってしまったので、長男が『ぴーとくん』のモデルになりました。(幸い、2年後に帰国したので、良かったです)

 

–––––––––––ぴーとくん、のびるくん、ぽいすけくんと、それぞれ車の特徴をとらえた名前になっていますが、どのように決めていらっしゃいますか。

『ぴーとくん』は、おばあちゃんになった友人が「うちの孫は“きーとー、きーとー”と言っている」と教えてくれたことから、『のびるくん』は、はしごが伸びるから、『ぽいすけくん』は、ごみのポイ捨てから、考えました。音の良い名前を選んでいます。

 

–––––––––––3作品とも、ぴーとくんが登場しますが、それはやっぱり先生の一押しのキャラクターだからでしょうか。なにか意図、お考えがありますか?

おかげさまで、ぴーとくんは一番人気があるように思います。何といっても、うちの長男がモデルですから愛着があります。

きゅうきゅうしゃのぴーとくん

 

–––––––––––ぴーとくん、のびるくん、ぽいすけくんをはじめ、たくさんのキャラクターがこの3作品には登場しますが、推しのキャラクターはいらっしゃいますか。

『はしごしゃののびるくん』のモデルは私自身なので、のびるくんにも愛着があります。絵本作家って、特殊な能力があって良さそうに見えますが、実はのびるくんのように待つことが多いお仕事なのですよ。

 

はしごしゃののびるくん

 

–––––––––––今回のぽいすけくん、ズバリ見どころはどこでしょうか。

いつもながら、しっかりと描かれた車たちは説得力があり、特に車の色が力強いです。
また、今回は爽やかな海の景色がすてきですね。波の音を聞きに、海に出かけたくなります。

 

–––––––––––3作品とも、情景・設定がとてもリアルに書かれているのですが、こちらは毎回正高先生が取材に行かれているのでしょうか?

私が住んでいる町の市役所にママ友がお勤めなので、彼女の紹介で消防署、清掃事務所に出かけて、何度か文章やラフスケッチのチェックをお願いしました。皆さん、喜んで協力してくださって、おかげで納得のいくお話になりましたし、出版も我が事のように喜んでくださいました。

 

『はしごしゃののびるくん』制作にあたっては、愛知県岩倉市の消防士さんたちにご協力いただきました。

 

–––––––––––(3作品を通して)今だから話せる裏話・制作秘話などありますでしょうか?

『はしごしゃののびるくん』を作った時、なかなか話の内容が定まらず難儀しておりました。何度も編集部の方を通じて、画家の鎌田さんとも話し合いを重ね、なんとか刊行にこぎつけられたこと、とても感謝しています。

 

–––––––––––次回作の主人公は、パトカーのうーたくんだと聞いておりますが、選んだ理由はありますか?

「サイレンカーの王さま・パトカーの話を作って!」と、岩崎書店プロモーション担当の子育てママさんからリクエストがありました。子どもに身近な交通安全の話になりそうです。

 

 

ここからは、正高もとこ先生ご自身のことや、普段のご執筆のことについて伺いました。

正高もとこ先生

 

–––––––––––正高先生の好きなのりものは何でしょうか。また、いつか乗ってみたいのりものはありますでしょうか。

好きなのりものは、自転車、電車、船ですね。いつか海で、シーカヤックにのってみたいです。

 

–––––––––––作品のアイディアはどんなことをしている時に浮かびますか?

作品のアイデアは、ぼーっとしている時や、図書館で絵本を見ている時に浮かびます。

 

–––––––––––執筆中や作画中に行き詰まることはありますか? その際はどのようにして解決してらっしゃいますか?

もちろん行き詰まる時もあって、そういう時はとにかく休む、作品から離れて寝かせるようにしています。

 

–––––––––––どのお話もアイデンティティや生き方のメッセージが込められていると思うのですが、正高先生ご自身と重ねるところはあるのでしょうか?

幼児向けの話であっても、子どもだましの話にはしたくないので、いつも一生懸命、隅から隅まで考えています。そうすると自然に、私のすべてが反映された話になるようです。

 

–––––––––––このシリーズを読んでくださっている読者のみなさまに、ひとことお願いします!

子どもたちに身近な車の話を通して、関わり合い、助け合って生きていることに気づいてほしい。“お気に入り”の絵本にしてもらえると嬉しいです。これからも「働くのりものシリーズ」をどうぞよろしくお願いします!

 

これからも、正高もとこ先生の作品を楽しみにしております!
ありがとうございました。